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ペット喜怒哀楽

定刻発車

定刻発車

書名 : 定刻発車
著者 : 三戸祐子
出版社: 新潮文庫 2005.5.1発行 \619

感想 : 2005.7.24,25日記に記載

気になった文章 :

* 降りる人が先、乗る人は跡 という今の日本では当たり前になった乗降マナーは大正14年ぐらいからのつみかさね....

* 日本の鉄道社員は「どうして経理屋の俺が駅に行って乗客のあんななどしなければならないのか!」とは考えない。非現業武門は現業部門が仕事をしやすくするために働いて協力するのは当たり前と考えている。
あちこちの公務員に聴かせたいわぁ!

* 若い女性が電車のなかで化粧するのは、彼女たちが本能的に移動の時間を「自分の時間」にしようとしているだけのことである。唱和も30年代半ばあたりまでは、電車の中で赤ん坊に乳をやる女性の姿もあった。変わったのは人間の側ではなく、むしろ鉄道空間であり、公共の感覚のほうなのである。汽笛一声のその時からいつも日本では、鉄道空間は公共スペースであり、公共の感覚を学ぶ教育の場でもあった。
(そういや、車社会の埼玉では、小中学生に電車の乗り方を教えないと、高校生になってマナー悪いんだなぁ。たぶん、電車のマナーが良いのは都会に住んでいる人達よ。埼玉に転居してきてびっくりしたんだから)

* 文明の発展がここまでくると、昨日あるものが今日も同じように機能していることの価値を人々は認めざるを得ない。と同時に、「ゆとり」というものは、昨日あるものが今日も同じようにあることを確認して、はじめて見出されるものだということにも、人々は気づきはじめている。毎日の健康に喜びを見出すように、昨日あるものが今日も同じように機能していることにも喜びを見出すこと。それが人間が「ゆとり」というものを実感する最初のステップである、成熟社会の喜びや可能性というものにつながってゆく。
(そうかなぁ、今日のが明日明後日にもあると思えるのが、私にはゆとりなんだけれど、これ、微妙に違うと思う)


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